ダイバーなら誰しも、人生で1度はグレートバリアリーフでダイビングしてみたいとお思いではありませんか。オーストラリア ケアンズ旅行の最大の目的として1泊2日(6ダイブ)のダイブクルーズに参加して、グレートバリアリーフでのダイビング体験してきました。

憧れのグレートバリアリーフでの6本のダイビングは一生の思い出に残るほど、美しく楽しい経験でした。ダイブクルーズ船でのダイビングは、必要なものがコンパクトにまとまっていて快適でした。

オーシャンクエストとは
オーシャンクエストとはケアンズの老舗ダイビングサービスのダイバーズデンにて運航されている水上宿泊船です。世界最大のサンゴ礁群で世界自然遺産にも選ばれているグレートバリアリーフの、アウターリーフに係留された船に宿泊しながらダイビング三昧が可能です。海上に宿泊しますので、朝、昼、夜とさまざまな時間帯のリーフを堪能できます。
宿泊1泊から5泊まで選択可能で、ナイトダイビングもできます。船内にはファンダイビングだけでなく、シュノーケリングや講習ダイビングで参加されている人がいます。22室ある客室ではトイレ、温水シャワー付きで、提供される食事はどれも美味しかったです。機材はフルレンタルが料金に含まれています。(ご自身の機材を持ち込むことも可能です)
料金に含まれるもの(1泊2日の場合)
・6本分のダイビング料金
・機材のフルレンタル
・ナイトダイビング用ライト
・船の宿泊料金
・乗船中の食事
・水、紅茶、コーヒー、ココア、牛乳
・ホテル送迎
・環境保全税
ダイブサイト
船はグレートバリアリーフ内のNorman Reef / Saxon Reef / Hastings Reefにある複数のポイントのうち船長が決めた場所にて2本ずつ潜れます。(午前中の2本を潜ったら場所を変え、午後の1本とナイトダイブ1本は同じポイントになります。翌早朝に次のポイントへと場所を変えます。)
どのポイントでもサンゴ礁がずーっと続いており、見どころが常に連続してあるという印象で、ポイントによる当たりはずれは少なそうでした。
スケジュール
- 7:30ホテルピックアップ
ケアンズ市内ホテルをいくつか回っていきます
- 7:55港(ケアンズマリーナ)到着、乗船
船の前で予約確認を行い、アクアクエスト号に乗船します(日帰りやシュノーケルの参加者も同船しています)
- 8:10頃船内で再度受付、関係書類にサイン
書類とペンを受け取り、ダイビング経験や健康事項確認・記入します
- ウエットスーツとマスク、フィンの試着
番号札を渡されるので、BCに札を付けて、借りた軽機材を挟んでおきます
- 8:30頃出航
マフィンと紅茶がいただけます
移動中の船は、かなり揺れますので、ご注意ください
- 9:30頃各種注意事項、見られる生物とハンドサインの説明、グループ振り分け
すべて英語での説明となります
- 10:00ポイント到着、準備整い次第ダイビング①
- 12:00昼食
- 13:00ポイント移動、準備整い次第ダイビング②
- 水中で撮ってもらった写真のセールスを受ける
買うか買わないかは各自の自由
- 14:30クルーズ船「オーシャンクエスト号」へ移動
身一つで船から船へと渡ります(ここで一旦すべての荷物を預けることになります)
- デザート食べながら、注意事項の説明
説明はすべて英語です
- 荷物を取って客室へ
- 15:15ブリーフィング
- 15:30ダイビング③
- 18:00夕食
- 18:30ブリーフィング
- 19:00ナイトダイビング④
- 20:00デザート
- フリータイム
バーが22時まで開いているそうですが、さすがに疲れていたので、すぐに寝ました
- 翌6:50謎の朝点呼
一部屋ずつスタッフさんが巡回されます
- 7:30朝食
- 8:15ブリーフィング
- 8:30ダイビング⑤
- 10:15ブリーフィング
- 10:30ダイビング⑥
部屋に戻ると次の乗客用にベッドメイキングが済んでいましたが、シャワーは利用できます
急いでシャワーを浴びて、荷物をまとめます
- 12:00チェックアウト
以降部屋には入られません。デッキなどで過ごします
- 12:30昼食
昼食後は時間もてあましタイムが続きます。のんびり海を見て過ごします
追加精算(ドリンク等)がある人はこのタイミングでの支払いのようです
- 14:30船の乗り換え
バケツリレーのように船上スタッフさんに荷物を運んでもらいつつ、船を渡ります
- 14:50ケアンズに向けて出港
フルーツをいただきながら過ごします
- 16:15ケアンズマリーナ到着、各ホテルへ送迎
行先に応じて何台かに分かれての乗車となります
ダイビング
参加に際して求められるダイビングの技量としては、OW取りたてという感じの泳ぎ方をされる参加者もおり、ある程度の中性浮力が取れれば経験本数が少なくても参加できる印象でした。ただし、サンゴの近くを泳ぐので、上体を起こしがちな参加者には(おそらくフィンキックでサンゴを痛めないように)水平のフォームを取るように指示が出ているのを見かけました。
最大深度はクルーズ通して16m程度です。
フリー潜行が苦手な方、耳抜きが苦手な方でも、ロープに捕まっての潜行が可能です。

バディダイビングを基本としていますが、参加者の半分くらいはガイドを付けてのダイビングをしていました。1本単位でガイドの有無を決められるので、1つのポイントで1回目はガイド付き、2回目はガイドなしといったカスタマイズもできそうです。
ブリーフィングの際にガイドを付けたい人を募って、その場でチーム分けを行います。毎回、メンバーやガイドの組み合わせが変わります。
残圧が50barに到達するか、潜水時間が50分に到達するかのどちらか早い方が到達したタイミングでダイビング終了となります。グループの中に極端にエア消費が早い人がいると、先に上げられており、残った残りエアに余裕がある人だけで予定時間いっぱいまで浅い場所でのダイビングを続けられました。
1本目は2年近くブランクが空いた状態でのダイビングでしたが、他の参加者と同じようにダイビングできました。(厳密にこの期間が空いているからリフレッシュダイブが必要とはなっていないのかもしれません)
2本目のダイビングが終わるとオーシャンクエスト号に乗り換える人が1カ所に集められるので、ササっと体拭いて荷物まとめてと準備する必要があります。(レンタル機材類は置いていきます)
3本目は船を乗り換えて最初のダイビングになるので、この時にまたレンタル機材のセットが変わります。ウエイトは1個が1.5kgのものが付いていますので、1,2本目に何個つけて潜ったか覚えておきましょう。
4本目となるナイトダイビングでは手に持ったライトの光の中を横切る魚くらいしか見えない、真っ暗な海の中を進む体験が出来ました。サメやロウニンアジが何匹も見れました。少し怖かったですが、ガイドさんがしつこいほど後方を確認し、バディと近くに居るよう指示を出すので、真面目に参加していれば、はぐれることはなさそうです。
5、6本目は朝のダイビングになります。体感では実感があまりなかったのですが、前日のダイビングに比べて海の中の明るさも透明度も今回のクルーズ1番の好条件でした。(後ほど撮影した動画を見て実感)
昼食後に船上から海を見下ろすと、多くの魚影が見えるほど透明度が高くお魚も多く見えるポイントでした。

機材はフルレンタルしましたが、レンタル機材の消耗加減は「まぁレンタルだったらこの程度の使用感出るものだよね」という感じで、十分許容範囲でした。最初の2本は素足で履くフルフィットフィンで、宿泊船に乗り換えてからはブーツの上に履くストラップフィンでした。
またダイブコンピュータはゲージとセットになっているタイプなため、常に視界に深度表示を入れながら潜るということが出来ません。また、BCと一体になっているため、ログ付けの際に手元に無いため、ダイビングごとに暗記して、すぐにメモする必要があります。ダイブコンピュータだけでも自身のものを持参した方が色々と楽です。
一式もしくは一部のみの機材を持ち込んでいる参加者は何名かいらっしゃいましたので、こだわりの機材があれば持参しても良さそうです。

もし、水中カメラを持参していれば持ち込み可能です。(カメラフィーはありませんでした)ただし、入水の際に衝撃がかからないように別途カメラを渡してくれるなどの対応は無いので、取り扱いにはご注意ください。

客室
ツインキャビンの客室に入ると両サイドにコンパクトなベットがあり、窓からは海が見えました。
アメニティは石鹸とバスタオル1枚のみ。
コンセントはデスク横に1ヵ所のみ。

シャワーは淡水の温水が出ますが、ナイトダイビングの後など皆が温水を使用する時間帯は若干ぬるくなります。シャワーは固定シャワー。
もちろんトイレにウォシュレットはありません。

ヘアドライヤーもありません。
寝る際に寒い場合は毛布が棚に入っているため、利用可能です。
コンパクトな客室なので、荷物は機内持ち込み用くらいの小さなスーツケースまたはボストンバッグなどの方が取り回しがしやすいかと思います。(大きなスーツケースの参加者は数名いました。荷物の出し入れが大変だったことと思います)

ダイビング以外の過ごし方
デッキにはビーチチェアやヨギボーみたいな大きなクッションが置かれていますので、皆さんのんびりと海を見て過ごされています。船が停泊している場所から、ポートダグラスあたりの陸地は目視可能です。

客室のベットでごろごろして過ごすことも可能です。(ダイビングの間は半乾きの水着を着用しっぱなしなので、遠慮しましたが)
ガイドさんによるログ付けサポート(見た魚の名前を教えてくれたり等)は無いので、自分で記憶していたものでログ付けする必要があります。船として最大深度、潜水時間、残圧は記録しており、6本目終了後にバーカウンターのところにバインダーに挟んで置いてありましたので、必要に応じて確認が出来ます(1,2本目のアクアクエスト号での記録も置いてありました)。
バーではビール、ワインやジュース(コーラ、ファンタ、ジンジャーエール等)とスナックを販売しています。
Tシャツやパーカーなどのグッズ類も購入可能です。

持ち物
必須の持ち物
・水着(事前に着ておくとスムーズです)
・タオル(ダイビング後に体拭く用)
・Cカード(ファンダイビングされる方)
・お泊りセット(アメニティは石鹸のみです)
海用のタオルはダイビング中はデッキの手すりに結び付けておきますので、結びにくい厚手のタオルは避けた方が良いです。(風で飛んで行ってしまうかも)
Cカードはしっかりチェックされました。(ライセンスの箇所のみで、本数の確認は無かったです)
客室のアメニティは石鹸のみなので、歯ブラシ、シャンプー、コンディショナーなどのお泊りセットは一式持参した方が良いです。
あったらいいもの
・カメラ(耐水性のもの)
・ダイブコンピュータ(レンタル品はゲージと一体型のものなので、使いづらい)
・長袖の羽織り(クーラーで冷えを感じやすい方)
・酔い止め薬(船酔いしやすい方)
帽子やサングラス、日焼け止めも空き時間にデッキでくつろぐ予定の人はあった方が良いかと思います。
注意点
すべてのダイビングをガイド付きにしましたが、どのガイドさんが付くかは毎回変わります。また、船内には日本人のガイドさんがいらっしゃいましたが、日本人だからといって専属で付いてはくれません。ブリーフィングでの説明内容理解や船内の注意事項、船内アナウンスの理解、意思疎通のために最低限の英語力は必要かと思います。
食事は基本的にはどれも美味しかったですが、いわゆる若者向きの洋食が続きますので、年配の人は長期間滞在すると食事が辛くなってくるかもしれません。ベジタリアン用のメニューも対応可能でした。
船内はクーラーがガンガンに効いていますので、寒がりの方は長袖の羽織るものなどを持参された方が良いです。
乗り換えた先のオーシャンクエスト号では皆さん素足で過ごします。
客室は施錠できません。貴重品は最小限にし、鍵付きの鞄などに入れておいた方が安心です。特に、最後(6本目)のダイビング中に次の参加者のための客室清掃が入る為、ベットの上に置いていた物などが勝手に移動されてしまいます。
船内は決められた場所でのみ喫煙が可能です。
船酔いしやすい方は酔い止め(アネロンニスキャップ)などを用意した方が良いです。ケアンズの港からリーフまでの移動時は大いに揺れますし、宿泊船に滞在しているときも多少の揺れはありました。酔いやすい私は薬が切れないように、常に酔い止め薬を飲み続けていました。
船内Wi-Fiはありません。(飛んではいますがパスワードがかかっているのでスタッフ用かと思われます)ですが、陸地と50km以上離れていますが携帯電話の電波は2.3本拾えており、メッセージの送受信やWeb閲覧(家族に写真を数枚送ったり、レストランの予約)程度であれば可能でした。(楽天モバイルの海外ローミング利用)
ケアンズ周辺のアクティビティだと、熱気球のアクティビティはダイビング後24時間を空けて参加する必要があります。
予約
予約サイトを見ていると毎年どんどん値上げしていっている印象ですので、早めの訪問をおすすめします。
私はoutdoors web Australiaさんで予約しました。日本語で予約が可能ですし、クルーズ船の公式サイト(定価)より少し割引料金で手配できます。
予約確認のメールにて水中ガイドの要否の念のための確認をいただきました。私は水中ガイドを全ダイブに付けた金額で決済しました。メールの対応も丁寧で安心できました。
まとめ
憧れのグレートバリアリーフでのダイビングができ、大満足のダイブクルーズでした。透明度も高く、永遠に続くサンゴ礁、案外簡単に見られるサメ、多くの魚たちと常に見どころが続くようなポイントばかりでした。
船上のスタッフの皆さんも優しく対応してくださり、気持ち良い1泊2日を過ごすことが出来ました。
船上でのタイムテーブル通りにダイビングして、食事して、またダイビングしての流れは合宿のようで若者気分になれて楽しかったです。
余談ですが、コロナ前にフィリピンのセブ島でダイビングをした際には、ダイバーによって壊されたサンゴ礁が多く見られ心を痛める場面が多かったですが、グレートバリアリーフはダイバーの意識も高いのか、折れてしまったサンゴはほとんど見かけませんでした。このまま綺麗な状態が維持されることを願っています。